
私は17年間、製造業の現場で働いてきました。
図面を見て考える仕事もしましたし、設備を触り、配線し、加工し、測定し、トラブルが起きれば現場で原因を探してきました。
その経験から、ずっと違和感を持っていることがあります。
現場で手を動かす仕事は、本当に「下」の仕事なのでしょうか。
机の上だけでは分からないことがある
ものづくりでは、設計や解析から原因を追う方法もあれば、実際の設備や製品を見ながら原因を追う方法もあります。
私は後者の方が得意です。
音が少し違う。汚れ方がおかしい。昨日までは出なかった不良が、この条件だけで出る。図面上は同じでも、実物を見ると何かが違う。
現場にいる人が持っている情報は、数字にしにくいものも多いです。
自動化しても、現場はなくならない
AIやロボット、自動化が進めば、手作業は減っていくと思います。それ自体は良いことです。
ただ、設備は止まります。センサーは汚れます。ワークはばらつきます。想定していなかったことも起きます。
そんなとき、最後に設備の前に立って「何が起きているんだ」と考える人が必要です。
自動化が進むほど、単純作業ではなく、現場を理解して判断できる人の価値はむしろ大きくなるのではないかと思っています。
ホワイトかブルーか、ではない
私はホワイトカラーとブルーカラーを対立させたいわけではありません。
設計できる人も必要です。データを分析できる人も必要です。そして、現場で実物を見て判断できる人も必要です。
問題は、どちらが上か下かではなく、それぞれの知識がちゃんとつながっているかだと思います。
現場で起きていることを設計へ戻す。設計の意図を現場へ伝える。その間をつなぐ人がいるだけでも、ものづくりはかなり変わります。
私は現場経験をもっと価値にしたい
学歴や肩書きだけではなく、「この人は現場で何を見て、何を解決してきたのか」がもっと評価されてもいいと思っています。
私自身、現場で苦労してきた経験が、今の営業や技術提案にかなり生きています。
センサーが汚れているのか、ワークがばらついているのか。設備を見て判断する力は、新しいシステムを入れたら不要になるものではありません。そういう経験を持つ人が、もっと頼られ、評価される製造業であってほしいです。
現物を見て原因を考える姿勢については、「設備の前に立ってろ」から始まった、今の仕事の基本にも書いています。現在の仕事は現場改善・技術導入の支援内容をご覧ください。

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