感動は、恐怖を乗り越えた先にある

こんにちは、JOINTSPARKSの佐藤盛超です。

突然ですが、皆さんは人生で何度、心から感動したことがありますか??

私も自分の感動を振り返ってみました。正直、なかなか出てきませんでした。大人になると、心が大きく動く場面って意外と少ないですよね。

それでも、二つだけ今もはっきり覚えている感動があります。今日はその話から、今の職場について考えてみたいと思います。

近所のおじさんがライターを渡してくれました

子供の頃、近所に私を可愛がってくれた大好きなおじさんがいました。

ある夏、「花火がやりたい」と言った私に、おじさんは花火と一緒にライターを渡してくれました。しかも、火の付け方まで丁寧に教えてくれたんです。

今なら絶対に止められますよね(笑)

でも私は、火の怖さを自分の手で知ったうえで、目の前に広がる花火の美しさに心から感動しました。あの夜の光景は、今も忘れません。

会社の設備を、黙って改造しました

二つ目は、社会人になって5年目の頃です。

私は工場で部品の生産を担当していました。当時の現場では品質トラブルが続いていて、原因をめぐって責任のなすりつけ合いが起きていました。誰かが助けてくれる雰囲気はありませんでした。

だから私は、刃物が高速回転する加工機を、自分の判断で改造しました。会社の設備を勝手に、です。

もちろん、これは決して正しいやり方ではありません(今の立場で勧めたら大問題ですけど・・)。

でも当時の私には、自分で腹をくくるしかありませんでした。どうしても圧倒的な精度を出したかったんです。

そこからの数週間は、本当に怖かったです。設備が壊れるかもしれない。相談できる相手もいなくて、孤独と恐怖で毎日胃がキリキリ痛みました。

しかし、その設備は止まらずに動き続けました。出てきた精度は、これまでにない数字でした。

そのとき、現場のリーダーが静かにこう言いました。

「めちゃくちゃな事をやってるなと黙って見てたんだけど、でもこれが実績だ」

逃げ出したいほどの怖さを越えた先に、本物の感動がありました。

二つの感動に共通していたのは「怖さ」でした

振り返ると、二つの話には共通点があります。一つ目は火の怖さ、二つ目は責任を背負う怖さです。

私にとっての感動は、いつも恐怖を乗り越えた先にありました。

今の職場から、怖さまで消えていないでしょうか

では、今の職場はどうでしょうか。

働き方改革やパワハラ防止法によって、現場から怒声は消えました。理不尽な詰めもなくなりました。これは間違いなく守るべき進歩です。私自身、昔の現場に戻りたいとは思いません。

しかし、その一方で失ったものもあるのではないかと感じるのです。

製造業には「過去トラ」という言葉があります。過去のトラブルを共有して、同じ失敗を二度と起こさないための大切な取り組みです。私も何度も助けられてきました。

ただ、現場では「過去トラに書いてあるからダメ」と、挑戦を止める言葉として使われる場面も見かけます。過去から学ぶことと、過去にとらわれることは別の話です。

私たちはいつの間にか、自分で責任を引き受ける怖さまで、現場から取り上げてしまったのかもしれません。

挑戦したいと、誰も言ってこないんです

私は今、役員をしています。

若い人が「やりたい」と言ってきたら挑戦させたいですし、失敗したときは私が責任を取る。そう決めています。

でも、誰一人として言ってこないんです。

若い人が悪いわけではありません。リクルートの新入社員意識調査では、「失敗を恐れずに挑戦したい」と答えた新入社員の割合が、2024年度に過去最高になったそうです。入社するときは、みんな挑戦したいと思っているんです。

それが、どうせ言っても止められる、と学んでしまう。

誰がそう教えたのかと考えると、他の誰でもない私たち自身なんですよね。

余談ですが

あのおじさんのことを思い出すと、今でも少し笑ってしまいます。花火のあと、母に見つかって「子供に火を持たせるなんて」とこっぴどく怒られていたんです(笑)

今度は、私が見守る側になる番です

おじさんも、きっと怖かったはずです。それでもライターを渡し、すぐそばで見守ってくれました。

正直に言うと、私には小さな子供にライターを渡す勇気はありません。

でも、花火を見て喜ぶ私の姿に、一番感動していたのはおじさんの方だったと思います。

今度は私の番です。

挑戦する怖さは、若い人のものです。それを取り上げたくはありません。でも、見守る怖さと、最後に責任を持つ怖さは、私が引き受けます。

やり切る喜びと感動を、次の世代に渡していきたいです。

製造現場に関わる経営者の一人として、私は、大きな感動は恐怖を乗り越えた先にあると信じています。


「挑戦したいけど言い出せない」「若手にどう任せればいいか悩んでいる」そんな現場の声があれば、気軽にご連絡ください。一緒に考えさせてください。

#ものづくりをわくわくに #JOINTSPARKS

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