最新技術を“導入して終わり”にしないために

世の中には、AI、IoT、カメラ、ロボットなど、製造現場を変えると言われる技術がたくさんあります。

でも私は、最新技術だから現場が良くなるとは思っていません。

むしろ製造現場には、使われなくなったシステムや設備がたくさんあります。

言い方は悪いですが、現場の困りごとを置き去りにしたDXも少なくないと感じています。

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上から言われたDXほど進まなかった

前職で生産技術をやっていた頃、トップダウンで始まる改善や新技術導入を何度も経験しました。

ところが、上から「これをやれ」と言われたものほど、なかなか現場では進みません。

それでも上席が見に来るとなれば、急に話が変わります。

突貫工事のように準備して、とりあえず動いているように見せる。説明用の資料を作る。そして視察が終われば、また元に戻る。

そんなことを何度も見てきました。

技術力が足りないからではありません。

そもそも、その技術が現場にマッチしていなかったのだと思います。

高性能なカメラより、ブラックライトだった

私は画像処理やカメラを使った設備にも長く関わってきました。

例えば、接着剤がきちんと塗布されているか確認したいとします。

こういう話になると、カメラの画素数やスペックに目が行きがちです。

でも実際には、カメラより先に考えることがあります。

接着剤によっては、ブラックライトを当てるだけで非常に見やすくなります。

つまり、高性能なカメラを買うことより、「何をどう見たいのか」を考える方が先です。

逆に内製化を進めると、今度は設備ごとにカメラや機器のメーカーがバラバラになり、互換性がなくて苦労することもあります。

だったらメーカーを統一しようとなり、キーエンス製品で揃えれば扱いやすくなる一方、設備全体は高額になっていきます。

私自身、こういうことにずっと苦労してきました。

だから今は、スペック表だけを見て「この製品はすごい」とは思わなくなりました。

現場で困っていなければ、私は帰ります

今は立場が変わって、製造業のお客様にIoTやカメラなどを提案する側にもなりました。

でも、現場を見て困っていることがなければ、私は帰ります。

無理に売っても、使われなければ意味がないからです。

例えば、点検のために毎日遠い場所まで歩いている。高い場所にある計器を見るのが大変。電源が取れない。人が足りない。

そういう具体的な困りごとがあって、初めて技術が役に立ちます。

最低限の機能しかなくても、その困りごとが解決できれば現場は満足することがあります。

逆に、どれだけ最新の機能が詰め込まれていても、現場が困っていなければ必要ありません。

DXの「やらされ役」では進まない

もう一つ、技術以上に重要だと思うのが担当する人です。

会社から「DXをやれ」と言われて担当になっただけの人もいます。

そういう人が、自分の手柄をどう資料にまとめるか、導入件数や削減時間をどう数字にするかだけを追い始めると、私は少し距離を置きます。

一方で、現場の困りごとを自分の言葉で説明してくれる担当者もいます。

現場の隠れた大変さを知っています。

「ここを毎日見に行くのが大変なんです」「ここは電源が取れません」「この作業だけ人に依存しています」など、何に困っているのかが自分の言葉で出てきます。

私は、そういう話を聞いて初めて、一緒に考えたいと思います。

最新技術より、現場に合う技術

製造現場で必要なのは、一番新しい技術でも、一番高性能な製品でもないと思っています。

その現場の困りごとに、ちゃんと合っているものです。

それはブラックライト一本かもしれません。最低限の機能しかないカメラかもしれません。場合によっては、新しい設備を入れないという判断かもしれません。

私は生産技術として設備を作る側でも苦労してきましたし、今は技術を提案する側でも現場を見ています。

両方を経験しているからこそ、導入すること自体を成果にはしたくありません。

毎日歩いて見に行っていた計器を、遠隔で確認できるようになったか。使い方が分からず止まっていないか。導入した台数だけでは分からないので、私はその後の使われ方まで気になります。


技術導入を現場で使える形にするために

JOINTSPARKSでは、製品を導入すること自体ではなく、現場の困りごとを見つけ、使われ続ける形まで一緒に考えることを大切にしています。支援内容はSERVICE、実例はCASE STUDYでご紹介しています。

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