製造業の利益と成果、その葛藤

製造業で働いていると、どうしても「利益」と「成果」の間にある見えない壁にぶつかります。

品質トラブルが起きた瞬間、始まるのは“犯人探し”。
年齢が若いというだけで責任を押しつけられ、会議室では腕を組んだ管理職が説教をする。
実際に現場で必死に対応し、汗を流したのは誰なのか?そんなことは誰も気にしない。

上司が気にしているのは顧客への報告。
「どう説明するか」にばかり夢中で、こちらの苦労なんて一切見向きもしない。
だから私たちは空気を読みながら、怒りを買わないように、結果だけを整理して差し出す。
それが、いつの間にか生き残るための処世術になってしまっているのです。


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残業でしか評価されない現実

そしてもう一つの現実。
努力や成果ではなく、残業時間でしか給料が増えない仕組み。

だらだらと残業すれば、それなりの残業代はつく。
また管理職は残業手当も付かないため、完全に年収の先が見えてしまう。
でも新しい提案や改善の成果は、ほとんど評価されない。

昇進すればいい?そう思うかもしれないが
役職につけば、会議と承認業務に追われ、現場からどんどん離れていく。
また中間管理職にはまだ大きな裁量権がない。結局は「うまくやっているように見せる」ことが大事になる。

上司の武勇伝を持ち上げ、「おかげさまで成果が出せました」と話をつなぐ。
喫煙所で顔を売り、早朝に出社してアピールする。
そうやって“頑張っている姿”を演じることが仕事になってしまっている。


本当のものづくりは、そんなものじゃない

ですが、心の底から言いたい。
ものづくりの本当の楽しさは、そんな上っ面の世界ではない。

現場で苦しい課題にぶつかり、仲間と一緒に必死に考え抜き、改善をやり遂げる。
その瞬間にこそ、胸の奥からこみ上げてくる達成感がある。

「やったぞ!改善した!」という感覚。
人から評価されるためじゃない。数字を飾るためでもない。
自分の手で課題を解決し、誰かの役に立ったという誇りを味わう。

これこそが、ものづくりの醍醐味だと思うのです。


未来へのビジョン

これからの製造業は、ただ会社の利益を守るためだけに存在するものではない。
社会にどう貢献できるか、次の世代にどんな誇りを残せるか?そこに本当の価値があると考えます。

だからこそ、現場で働く一人ひとりが「自分の成果に胸を張れる働き方」を取り戻さなければならない。

製造業はまだまだ変われると信じています。
もっと誇り高く、もっとワクワクできる仕事に戻れる。
その変化を生み出せるのは、経営者や管理職というくくりではなく、全社員平等だと思っています。

自分の力を信じ、主体的に動き、誇りを持って挑戦する。
その積み重ねが、必ず未来を変えていくと確信しています。
学歴や肩書きではなく、現場で何を生み出したか。
製造業の未来は、ブルーワーカーへの正当なリスペクトから始まります。

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