
私は17年間、国内外の工場で生産技術をしてきました。
独立した今だから言えることですが、大きな組織で働いた経験はとても大きかったです。一方で、「組織で仕事を進めるのは大変だ」と何度も感じました。
正しいと思っても、自分だけでは進められない
現場で設備を見ていると、「このままだとトラブルになる」「こう変えた方がいい」と感じることがあります。
でも会社では、自分がそう思ったからといって、すぐ変えられるわけではありません。上司、関係部署、予算、品質、生産計画。いろいろな人と条件が絡みます。
それ自体は必要なことです。ただ、調整している間に時間だけが過ぎ、実際に問題が起きてから一気に動くこともありました。
トップダウンなら進む、というわけでもなかった
逆に、上から「これをやる」と決まれば簡単かというと、そうでもありません。
現場が必要性を感じていないものは、なかなか根づきません。
上席が来る前だけ急いで形を整え、「やっています」と見せる。そんな経験もありました。
上から決めることが悪いのではなく、現場で何が起きているのかが抜けたまま進めると、最後に無理が出るのだと思います。
だから私は「間に入る仕事」が好きなのだと思う
今は会社の外から、いろいろな製造現場に関わっています。
そこで改めて感じるのは、経営側にも現場側にも、それぞれ事情があるということです。
現場だけ見ていても会社全体は動かせない。経営の数字だけ見ていても、現場では使えない。
だから、その間に入って翻訳する人が必要です。
現場の困りごとを技術側へ伝える。技術の話を現場で使える形にする。必要なら会社と会社もつなぐ。
組織の中で苦労した経験が、今の「つなぐ仕事」につながっているのだと思います。
組織と現場の温度差については、現場改善は「何を導入するか」から始めないでも書いています。

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