技術競争の真っただ中にいた頃

JOINTSPARKS代表の佐藤です。
最初にお断りしておきたいのですが、これは私自身の経験や感じた違和感をもとにした考えであり、勉強不足ゆえの偏見かもしれません。
それでも、17年間ものづくりの現場に関わってきた一人として、今の製造業に対する率直な想いをお話ししたいと思います。
かつて日本の製造業は、プラズマテレビ、DVDからBlu-rayディスク、SDカードが出て256MB、512MB、さらにMicroSDが出たり
まさに技術競争の真っただ中にいました。
私が社会に出た頃は、家電メーカー各社がこぞって新しい製品を開発し、性能や機能でしのぎを削っていました。
「ブラックボックス技術」なんて言葉も流行り、世界に先駆けて新しい技術を打ち出すことが誇りでもありました。
しかし今はどうでしょうか??
家電はスマホに集約され、ものづくりはコスト競争に押し込まれ、日本の企業は世界に負け続けています。
差別化が難しくなり、現場は「耐えしのぐ」ことに追われています。
技術革新(DX・AI)がもたらす空虚
最近はDXやAIによる効率化がブームです。
もちろん効率化は大事ですが、その裏で「やることがなくなった人」が増えていると感じます。
昔のように隙間時間で出来る仕事(単純作業など)はだいぶ減っています。
忙しいフリをして残業代を稼ぎ、会社の看板にしがみつく
リスクを背負いたくないから、責任ある決断は避けられる
我慢できない人は独立して「コンサル」などの事業を立ち上げる
気づけば、ものづくりの現場は、数で売って勝負する大量生産型の製造業から、複雑なサービス産業へと姿を変えてしまいました。
失われた“挑戦のリスク”
ハードウェアには、部品を抱えるリスクや出荷責任が伴います。
そのプレッシャーを避け、リスクの少ないソフトウェアに人材が次々と流れていく。
ソフトエンジニアは増え続ける一方で、新しいモノをつくる挑戦は減っていきました。
かつてのように「世の中の困りごとを製品で解決する」文化は、やりたくてもできない世の中になっています。
顧客対応の移り変わり
買い手の立場から見ても変化は明らかです。
欲しい製品があっても、最終的にはアマゾンや楽天の口コミを頼りにするしかない。
不具合があっても、問い合わせはCHAT BOT、電話やメールでの問い合わせにすら行きつかないように対応が多く
昔のように「人が責任を持って応える」姿勢はどんどん失われています。
私の中でも「ONKYO」が破産した時の衝撃は今でも忘れません。
どれだけ良い製品を作り続けている会社でも、今の市場では生き残ることが難しいという現実を知りました。
ものづくりの本質を取り戻すために
ものづくりは本来、「新しい製品を生み出し、世の中を変える」という挑戦のはずです。
その本質を忘れ、効率やリスク回避ばかりに偏った今の製造業に、再びワクワクを取り戻したい。
私がJOINTSPARKSで世の中を変えていきたい原動力となっております。
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