
こんにちは、JOINTSPARKSの佐藤です。
今日は、今から約20年前に経験した製造現場での出来事、「納期厳守」について語ります。まさに製造業での出荷責任の一つになります。 自分にとってその経験は今も、自分の仕事の根っこになっています。
「働き方改革」の時代に、あえて語りたいこと
「パワハラ禁止」「残業規制」「ライフワークバランス」 もう聞き飽きました(笑) 今の職場では当たり前になっていますよね。
上司が怒鳴ることも、深夜まで働かせることも、今ではもう無くなりつつあります。昔は本当にそれが嫌で、苦しかった時期もありましたし、改良していくこと自体は、正しいことだと思っています。
でも、振り返ればそれが良い経験となって、今の自分がいる事にも感謝しています。そしてあの頃、製造現場で叩き込まれたことが、今の自分のすべての土台になっているんです。
試作品の立ち上げと量産立ち上げでの経験
ものづくりの流れは、製品企画から試作、量産、というように、各ステップに分かれています。量産をするために、それまでに設備を整え、不具合を洗い出し、設計部門にフィードバックする。いかにこの期間を短くしてくのかが勝負でした。
(当時はこれを垂直立ち上げというような言い方もありました)
そして量産ラインを本格始動させ、安定稼働するまで、現場のプロたちと一緒に進めていくのが、製造業での醍醐味では無いかと思います。 まあ当時はこれが苦しかった事でもありますが、終わってみると、やりがいや達成感もあったなと思うんです。
そして、製造業では品質管理に不良は一定数発生するという統計学があります。例えば3σ(シグマ)と言えば、1000個に3個不良が発生、6σと言えば、10万個に1個発生するという考え方です。
これはどんなに頑張って精度を上げても、不良品は必ず発生してしまうというものです。
新製品の初期量産で対策をすることで、その確率を下げることができるので、上流で早めの対策が大事だったりします。
試作でのトラブルを通じた貴重な経験
出荷の締め切りが迫る夕方、担当していたモデルがどうしても納期に間に合わなかった話です。結果を報告するため、その日の定時にミーティングで上長を含め、会議室に集まった時の出来事です。
現状をただホワイトボードに書いて説明し、今頑張っても納期には到底間に合わない・・・自分は精一杯やったけど、納期には間に合わせられないと報告をしました。 そうすると、私の上司はそのまま怒った顔で会議室から出て行ってしまい、すぐに追いかけると、私が途中まで試作機で立ち上げていた設備をいじり始めたのです。
(えーーーー!?今からやるの??)
と驚きましたが、私も恐る恐る近くに立って、見ていました。 そして深夜1時を回った頃、あの手この手と尽くし、設備を動かしたまま帰る事になりました。
ただ黙々と自分の手を動かし、深夜に及んでもやり切った上司を見て、今となってはかっこいいなと思うんです。 会議室を出たときは、私は声をかける勇気もなかったのですが、途中で「おまえこれどうやってこうなったんだ?」「これ試したのか?」と会話が進み、最後には笑顔でお互い帰宅したことが、今でも忘れられません。
何が何でもやり切る強い想い
あの時代の現場には、納期厳守、何が何でもやり切る、そう言った根性論で動いていたのですが、それによって、言い訳を探すより、間に合わせるための手を考える。 あの手、この手、また別の手・・・やれることを全部やり尽くす力を養ったと思います。
確かに営業通じて先方と交渉すれば、期限も延ばせるかもしれません。きっと今はそういった流れだと思います。ですが、あの時代を経験できたからこそ、今の土台があるように思えます。 今の基準で言えば、それはパワハラかもしれません。過労かもしれません。 正直、一時期は自分でもそう感じたことがありました。
でも今、振り返ってみると、感謝しかないんです。
時代が変わっても、変わらないものがある
今の若い方が、私と同じような経験をする必要はないと思っています。 働き方は変わっていい。ルールも変わっていい。
ただ、私が現場で本当に学んだのは、残業時間でも怒鳴り声でもありませんでした。
- 納期厳守: どんな状況でも、最後まで諦めないこと。
- 課題解決力: 自分が動いて、状況を変えること。
上司から口で説明されるよりも、ただ深夜の現場で、黙って手を動かし続けていた姿から学べたのです。 仕事に向き合う姿勢の核心は、時代が変わっても同じだと、私は信じています。 あの深夜の工場で学んだことが、今も自分の仕事の根っこにあります。

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