
現場で失敗しない「目利き」の話
製造現場には、すでに多くの技術があふれています。
カメラ、スキャナ、ロボット、AI、IoT──
展示会に行けば「これを入れれば現場が変わる」と言わんばかりの製品が並んでいます。
それでも、現場は思ったほど変わらない。
むしろ「ツールが増えて大変になった」という声を聞くことすらあります。
問題は技術そのものではありません。
見極め方を間違えていることが、ほとんどです。
技術を見る前に、まず見るべきもの
最新技術を評価するとき、つい性能やスペックに目が行きがちです。
ですが、現場で本当に重要なのはそこではありません。
私が最初に確認するのは、次のような点です。
- 誰が、どのタイミングで使うのか
- 今の業務フローを壊さずに組み込めるか
- 「理想運用」ではなく「現実運用」で回るか
ここを曖昧にしたまま技術を入れると、
高性能でも使われない装置が生まれます。
カメラ・スキャナ・ロボットの共通する落とし穴
技術ごとに形は違っても、失敗パターンは似ています。
- 画像は取れるが、判断や次の行動につながらない
- データは蓄積されるが、誰も見なくなる
- ロボットは導入したが、結局人が付きっきり
これは「技術が悪い」のではなく、
現場との接続設計が抜けている状態です。
導入前に「これで何を減らしたいのか」「何が楽になるのか」を
言語化できていないと、ほぼ確実に起きます。
目利きで大切なのは「引き算」
意外に思われるかもしれませんが、
失敗しないための目利きで一番大事なのは足さないことです。
- できることが多すぎないか
- 設定や調整が複雑すぎないか
- 属人化を増やしていないか
「機能を削る勇気」がないと、現場は疲弊します。
シンプルで、説明しなくても伝わる。
そのくらいが、ちょうどいいのです。
導入の成否は、製品選定前に決まっている
現場で定着するかどうかは、
実は製品を選ぶ前の段階でほぼ決まっています。
- 現状をきちんと整理しているか
- 無理のないゴールを設定しているか
- 段階的に試す余白を残しているか
ここを丁寧に進めるだけで、
「高い買い物だった」という結果はかなり減らせます。
「この人なら任せられる」と思ってもらうために
私は、最新技術を売りたいわけではありません。
現場に根づく形で使われ続けることを一番大切にしています。
だからこそ、
- 良い技術でも「今はやめた方がいい」と言うことがあります
- 派手さはないが、確実に効く選択肢を勧めます
その積み重ねが、
「この人なら安心して相談できる」という信頼につながると考えています。
これからも、
現場で起きたリアルな失敗や判断軸を、
一つずつ言葉にしていきます。
同じように悩んでいる方の、
遠回りを少しでも減らせたら嬉しいです。

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